城島酒蔵びらきで酒蔵巡り
三潴駅に着くと、すごい人出。蔵びらきの朝はみんな浮き足立っている。バスに乗る前に、駅前の名物マーライオンに寄り道——口からではなさそうだけど、昔は台座から水が流れていたのかな。首をかしげつつ、まずは駅のすぐそばの杜の蔵へ。仙台の“杜の都”みたいな名前の蔵で、この時期ついしぼりたてばかり買ってしまうけれど、今年は蔵開き限定の熟成酒をGET。
本命の旭菊に着くころ、早くも雨粒がぽつぽつ。メイン会場は電波が終わっていて、こういうときこそキャッシュレスと思いきやPayPayは繋がらない。比翼鶴の今朝しぼりをますでおかわりしながら、骨付きからあげと志岐かまぼこをつまむ。城島の水は灘にくらべれば軟水だけど、灘の技術が入っているからか、きりっとした“男酒”の味。広島の軟水の酒とも、同じ福岡の糸島の酒とも、まるで違うのがおもしろい。
今年から初参戦の鷹正宗へ。潰れてしまった花の露の立派な蔵の前を通るのは、ちょっと悲しい。鷹正宗の酒は酸味が強めで系統は違うけれど、これが結構好みだった。雨脚が強まってきたので、ほろ酔いのまま撤収。締めはやっぱりラーメン——白濁したとんこつのスープをすすって、ごちそうさま。おみやを抱えて、城島をあとにした。
酒蔵びらき
城島は、筑後川のほとりにひらけた古くからの酒どころ。冬から早春にかけて新酒がしぼられるこの季節、蔵元がいっせいに門をひらいて、できたての酒をふるまうのが『酒蔵びらき』だ。軒先につるされた杉玉(酒林)が青いうちは、新酒がしぼられたばかりの合図。ますを片手に蔵から蔵へと渡り歩く人でにぎわう、九州でも指折りの酒の祭りである。
城島の酒
城島の仕込み水は、酒どころ・灘にくらべると軟水寄り。それでも灘から伝わった技が生きているのか、口あたりはきりりと辛口の“男酒”になる。やわらかな軟水で知られる広島の酒とも、同じ福岡の糸島の酒とも味の系統がまるで違い、水と技で酒の表情がこれほど変わるのかと、飲み比べるたびに舌で思い知らされる。