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筑後・柳川 熊野宮の鬼夜と船小屋温泉めぐり
CHIKUGO · YANAGAWA · 2026 まふゆ

筑後・柳川 熊野宮の鬼夜と船小屋温泉めぐり

松明の火に正月を焼いて、掘割の水辺へ。

2026.1.10 ▶ 1.11

Days2日間
Dist約26km
Area福岡・筑後
Top最高 111m

正月十日の夜、筑後平野はまだ底冷えのなか。羽犬塚の熊野宮に火の匂いが満ちると、締め込み姿の男たちが「ワッショイ、ワッショイ」と声をそろえ、太い大松明を担いで境内を回りはじめる。点火された炎は夜空を焦がし、火の粉が降りそそぎ、竿で持ち上げられた松明が三周して倒され、ようやく新年の悪疫が焼き祓われる——鬼の修正会、またの名を「鬼夜」。

翌朝は打って変わって、羽犬塚恵比須の福笑いとちっちゃな鳥居、羽根の生えた犬の像、隈研吾の芸文館に絵本作家の猫の油絵。筑後船小屋の温泉で唐揚げをつまみ、析出物でごわごわの露天風呂と、鉄臭い天然炭酸水を味わって、水の都・柳川へ。うなぎの匂いただよう掘割にどんこ舟が浮かび、立花宗茂の城址と、口をあけたおたふく門をくぐった、火と水の二日間。

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DAY 1 · 01.10

筑後入りして、熊野宮の鬼夜を見物

午後に家を出て、筑後市のホテルにチェックイン。ちょっとお洒落なラブホみたいな部屋に荷を置き、まずはビールとラーメン、唐揚げで「おつかれちゃん」🍻。火がつく前にと夕方の熊野宮へ向かうと、直前まで人の気配がなくて「ほんとにやってるのか…?」と不安になったが、境内に着けばまぁまぁの人出。露店の五百円ラーメンをすすると、スープは美味いが麺はカタにしてはやわい——それもまた祭りの味だ。

やがて締め込み姿の男たちが動き出し、「ワッショイ!ワッショイ!」と声を上げて神社を出ていく。町内を走って体を温め、松明を担いで戻ってくる段取りらしい。だだっ広い境内は、久留米の玉垂宮より周回しやすそう。そして点火🔥🔥🔥——竿で大松明を持ち上げ、火の粉を散らしながら社の周りを三周し、最後に倒して火を鎮めて結び。風は冷たいのに、裸の男たちの背には湯気が立っていた。宿へ帰る道、お目当てのおはぎは売り切れ(´・ω・`)。

移動 約4.3km / 獲得標高 9m

鬼夜(鬼の修正会)

正月に営まれる火祭りで、一年の災厄を焼き祓う「修正会(しゅしょうえ)」の鬼追い神事。筑後地方に点在し、なかでも久留米・大善寺玉垂宮の鬼夜は日本三大火祭りに数えられる。熊野宮のものは案内では「鬼の修正会」と紹介されるが、地元では同じく「鬼夜」と呼ばれる。締め込み姿の男衆が大松明を担いで境内を回り、火を倒して鎮めると新しい年が明ける。寒空に裸、燃えさかる松明、降りそそぐ火の粉——冬の筑後がいちばん熱くなる夜だ。

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DAY 2 · 01.11

羽犬塚恵比須大祭から、船小屋温泉・柳川へ

朝、よく見るとチラチラと雪が舞っていた。羽犬塚恵比須神社の恵比須大祭は、市長も来ての式典の最中。福々しい飾りと、デジャヴを覚えるほど小さな鳥居。羽犬塚といえば羽根の生えた犬——その像が立ち、ゆるキャラの名は「チク号」、犬に○○号とは昭和やね。隣の筑後船小屋駅から九州芸文館へまわり、全然知らない絵本作家の展示を見る。油絵のキャンバスに細かく描き込まれた無数の猫が面白くて、猫を飼いたくなった(ΦωΦ)。

温泉施設のレストランで唐揚げ定食。皮はうまそうだが身は少ない(ヽ´ω`)。船小屋はホテル二つに古い旅館がいくつかの、ちいさな温泉地。露天風呂に、鉄臭くてあまり美味しくない天然炭酸水、析出物がすごくて浴槽がえらいことになっていた。瀬高を経て柳川へ着くと、うなぎの匂いがすごい。冬でも掘割のどんこ舟は動いていて、立花宗茂の柳川城址(いまは学校で石垣と天守台だけ)、日吉神社のおたふく門——あちこち見たなかで、柳川のおたふくちゃんが一番かわいい🙈。名店街が全滅していたのは悲しかったけれど、火と水の二日間を西鉄でしめくくった。

移動 約21.4km / 獲得標高 57m

柳川の掘割とおたふく門

柳川は戦国の名将・立花宗茂の城下町。縦横に張りめぐらされた掘割(水路)を、船頭の棹さばきでどんこ舟がすべっていく「川下り」が名物で、冬はこたつを備えた舟で水辺をゆく。日吉神社では正月に、大きな「おたふく(お多福)」の顔の門が立ち、その福々しい口をくぐって無病息災を願う。春が近づけば、女の子の成長を祈る吊るし飾り「さげもん」が町を彩る。路地のあちこちから、うなぎのせいろ蒸しの香りがただよう水郷である。