立花山登山と立花山城跡・史跡巡り
はじまりは博多駅。肉(29)の日にちなんで……というわけでもないけれど、まずは湯気の立つ一杯で腹ごしらえ。ホームにはマリオとルイージがいて、人だかりができていた——博多駅に任天堂ストアができる日だったらしい。あとはJRに揺られて郊外へ、登山口まではまちを抜けて歩いていく。博多とりかわの店の前を通り、子どもたちの描いた壁画を横目に、だんだん家並みが途切れて山のにおいになってくる。
照葉樹におおわれた立花山を、ひと息に登頂。頂に出たとたん、博多湾から玄界灘までの大パノラマがひらけて、思わず声が出る。ここは戦国の名将・立花道雪が守った立花山城のあった山——海と博多をにらむ重要拠点で、養子の立花宗茂はのちに大名へと出世していく。崩れた石垣が、いまも尾根のあちこちに眠っていた。相関図の案内板に見入れば、宗茂をめぐる人間模様がなかなかの“モテすぎ”ぶりで、つい笑ってしまう。
山をくだりながら、道雪が篤く信仰したという六所神社へ。銀杏の黄葉が散り敷く境内に、日清・日露のころを思わせる古い絵馬や、「庚申神・庚申天・庚申尊天」と呼び名のちがう庚申の石碑がひっそりと並ぶ。途中の無人販売でみかんと柚子を“🍊GET”。いいバスがつかまらず、腹を空かせて福工大前の駅までてくてく。肉の日の〆は——さて何にしよう、と考えながらの帰り道だった。
立花道雪と立花宗茂
立花山城は、博多湾と玄界灘をにらむ戦国の要害。大友氏の猛将・立花道雪(戸次鑑連)がこの山城を預かり、雷に打たれても雷神を斬り返したという伝説から「雷神」と恐れられた歴戦の将だ。実子に恵まれなかった道雪は、盟友・高橋紹運の子を養子に迎えた——のちの立花宗茂である。宗茂は関ヶ原で西軍につき一度は改易されながら、のちに旧領・柳川へ返り咲いた唯一の大名として、いまも人気が高い。道雪は立花山のふもと、新宮の梅岳寺にねむる。