太宰府天満宮・九州国立博物館・竈門神社めぐり
スタートは、十時の開店を待ってまで食べたかった“白いカレーうどん”。クリーミーな汁に麺がすっかりかくれて、ひとくち目はカレーだということすら忘れるほど真っ白。(゚д゚)ウマカーと唸ってから、満を持して太宰府ゆきの電車に乗りこんだ。門前町に降り立てば、まずは焼きたての梅ヶ枝餅をアチアチ頬ばって、旅のスイッチが入る。
きょうの本命は、九州国立博物館の特別展「法然と極楽浄土」。うねるガラスの大屋根の下、浄土へのあこがれをかたちにした名宝がならぶ。髪の毛を交えて一針ずつ縫いあげたという繍仏に息をのみ、こけしのように大らかな阿弥陀さまにしばし見とれる。パネルの字が小さくて行列も渋滞気味だったけれど、浄土のまなざしはしずかに胸へ届いた。四階には「九州に“九国”はあるのに四国に“四国”が無い」——その名づけの経緯まで展示してあって、思わず膝を打つ。
お昼はお石茶屋で、炙りの梅ヶ枝餅と親子丼。肋骨をかばいつつ天満宮の神さまにペコリと手を合わせ、レンガのトンネルを抜けて、バスと徒歩で宝満宮竈門神社へ。鬼滅の刃の聖地とあって、境内は絵馬で埋めつくされている。そして見上げれば、ちょうど西日が差しこんで、紅葉が内側から灯るように燃えていた。🍁🍁🍁 梅昆布茶で一服すれば、色の濃さまで味わえる気がする。
帰りのバスはまだ長蛇の列。あきらめて坂道をてくてく下り、太宰府天満宮へもどる。境内では菊花展のまっさかり——大輪の菊も、小さな盆栽仕立ても、もこもこと見事で、食べられそうなほど。お花や盆栽を育てて暮らすのもいいなあ、なんて夢を見ながら、梅園でおみやげを選んで、西日の門前町をあとにした。
法然と極楽浄土
浄土宗をひらいた法然(1133〜1212)は、「南無阿弥陀仏」とただ念仏を称えれば、だれもが等しく極楽浄土へ往生できると説いた。身分も学問もいらないその教えは、戦乱と災厄にあえぐ中世の人びとに広く受け入れられていく。特別展には、浄土へのあこがれを映した阿弥陀来迎図や彫像、そして毛髪を交えて縫ったと伝わる繍仏(刺繍の仏画)など、祈りの名宝が集まった。会場の九州国立博物館は、日本で四番目の国立博物館として2005年に開館。うねる曲面ガラスの大屋根が、背後の森へとけこむように立っている。
竈門神社と鬼滅の刃
宝満山のふもとに鎮座する宝満宮竈門神社は、縁むすびと方除けの神さま。主人公・竈門炭治郎と同じ「竈門」の名から、アニメ「鬼滅の刃」ファンの“聖地”として知られ、境内には願いを書いた絵馬がびっしりと奉納されている。背にした宝満山は、古くから信仰を集めた修験の霊山。秋には参道のモミジが燃えるように色づき、夕刻の西日に透けるさまは、紅葉の名所として名高い。