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嘉穂劇場特別見学会と筑豊さんぽ
IIZUKA · CHIKUHO · 2025 あき

嘉穂劇場特別見学会と筑豊さんぽ

回る舞台と、奈落のひみつ。炭鉱のまちの芝居小屋へ。

2025.10.26

Days1日間
Dist約30km
Area福岡・飯塚
Top最高 65m

福岡の内陸、炭鉱でさかえた筑豊のまち・飯塚。その中心に、いまにも芝居が始まりそうな木造の芝居小屋がぽつんと残っている——嘉穂劇場。来年から保存のための解体工事に入ると聞いて、特別見学会に飛びこんだ。

色とりどりの座布団がならぶ桝席、ぐるりと人力で回る舞台、そして舞台の下にひろがる薄暗い奈落。舞台回しを体で押させてもらい、二胡のしらべに聴き入って、商店街の街道まつりでお昼を食べる。曩祖八幡宮に手をあわせ、歴史資料館で「未来の飯塚」を眺めた、しっとり雨の筑豊さんぽの一日。

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DAY 1 · 10.26

飯塚・嘉穂劇場特別見学会と筑豊めぐり

今日もまた飯塚にやってきた。西鉄のバスターミナルを出て、劇場までのんびり歩く。柔道場の看板を掲げた滴水館のレトロな構えや、『ジュラシックパーク』というやたら強そうな名前の駐車場、路地裏でこちらをうかがう黒猫——昭和の気配がそこここに残る筑豊のまちを、きょろきょろさんぽする。

そして嘉穂劇場。木の匂いのする客席にあがると、ちょうど舞台回し体験の真っ最中だった。人手不足だからと誘ってもらい、奈落にもぐって舞台の下に伸びた棒を押す——でかい舞台を回すには11人がかりだそうで、これが思いのほか力がいる💪 回りはじめると、回る~回る~よ舞台は回る~。つづいて客席から、二胡のミニコンサート。弦は2本きりなのに、こんなにいい音が出るのかと聴き入った。来年から解体ときくと、ここに来られたのがつくづくうれしい。南蔵院までで引き返す観光客を、筑豊までぐっと引き込むスポットになってほしい。

外に出れば商店街は街道まつり。ドーム天井の下、歌声のひびくアーケードのカフェでお昼をいただくと、やっぱり筑豊は食べ物がおいしい。曩祖八幡宮にペコリペコリとお参りし、歴史資料館では筑豊タワーのそびえる『未来の飯塚』にくすっと笑う。芦屋まで足をのばそうかと思ったけれど、また雨。博多駅まで戻って、朝からやっている店に腰を落ち着け、明太子の天ぷらをつまみに一杯ひっかけ、〆の『デザート』は牧のうどんで一日を閉じた。

移動 約29.6km / 獲得標高 19m

嘉穂劇場

1931年(昭和6年)、炭鉱でにぎわう筑豊に芝居小屋として開場した木造の劇場。回り舞台やすっぽん、花道、桝席をそなえた本格的な芝居小屋で、興行の全盛期には炭鉱労働者やその家族でにぎわった。水害や台風でなんども傷みながら、そのつど全国の歌舞伎役者や市民の寄付で立ち直り、「奇跡の芝居小屋」とも呼ばれてきた。舞台の床下にひろがる薄暗い空間は「奈落」と呼ばれ、人力で回り舞台を押して動かす仕掛けがいまも残る。老朽化のため、保存に向けた解体・改修が予定されている。