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播磨・備前の瀬戸内を自転車で巡る 湊町と備前焼
HARIMA → BIZEN · 瀬戸内ポタリング

播磨・備前の瀬戸内を自転車で巡る 湊町と備前焼

湊町をつないで、焼きものの里へ。

2025.10.10 ▶ 10.13

Days4日間
Dist約655km
Area兵庫・岡山
Top最高 226m

四連休。輪行で播磨の湊町に降り立って、ここから瀬戸内の海沿いをのんびり東西へこいでいく。網干・室津・坂越・牛窓——かつて北前船や参勤交代の船でにぎわった古い湊町が、海岸線にぽつぽつと残っている。

国境の川をひとつ越えれば播磨から備前へ。塩の町・赤穂、カキオコの日生、煉瓦煙突の立つ備前焼の里・伊部、そして干拓地のまっすぐな道。焼きものの狛犬や国宝の学び舎、黒田官兵衛ゆかりの「福岡」をたずね、最後は日本のエーゲ海・牛窓のオリーブ園で海を見下ろした、まんぷくで気ままな四日間。

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DAY 1 · 10.10

新幹線で播磨入り 網干・室津など湊町を巡り相生泊

博多から新幹線で姫路へ。山陽網干で輪行をほどいて、いよいよ走り出す。四連休という感じでもないけれど、今回は播磨から備前の海沿いをのんびり行こう。網干の町はこじんまりしているが、湊町として栄えた気配がちゃんと残っている。昔は龍野藩領だったそうで、みやげ売り場には龍野の品が多い。旅の無事を魚吹八幡宮に祈って、オシャレなカフェで分厚いアーモンドトーストにありついた。

少し北上して太子町へ。聖徳太子の領地だったこの地には、奈良の斑鳩にちなんだ斑鳩寺が建つ。揖保乃糸で知られる揖保川を渡り、海の見える道の駅みつでひと息。そして室津。今の静かな姿からは想像しづらいが、西国大名の参勤交代、朝鮮通信使、北前船——さまざまな船が立ち寄った国際港だった。賀茂神社の本殿と拝殿が向かい合う珍しい造りを拝んで、日が傾くころ相生のペーロン城へ。〆は室津産カキのコロッケと播州の酒で、一日目を気持ちよく閉じた。

移動 約456.5km / 獲得標高 175m

湊町・室津

室津は播磨灘にのぞむ古い港町で、奈良時代から瀬戸内海路の要衝として栄えた。江戸期には姫路藩の飛び地となり、西国大名の参勤交代の船、朝鮮通信使や琉球使節、北前船が寄港する国際港として大いににぎわった。「室津千軒」と呼ばれた繁栄の名残は、海沿いに残る海駅館(旧脇本陣・嶋屋)や民俗館(旧豪商・魚屋)といった町家にいまも見てとれる。

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DAY 2 · 10.11

坂越の船祭りと赤穂を巡り岡山県入り、片上泊

相生を発って坂越へ。すると、ちょうどお祭りの真っ最中だった。坂越の船祭りだ。祭囃子を響かせて獅子舞が家々をまわり、海には船が漕ぎ出していく——🚣ヨイオヤダー。渡来人・秦河勝をまつる大避神社にお参りし、北前船の廻船問屋が並んだ白壁の町並みをぶらり。坂越の塩、赤穂の塩。塩づくりで栄えたこの一帯を抜けて、忠臣蔵の赤穂へ討ち入りじゃあ。赤穂御崎の海を眺め、赤穂城跡のそばで「討ち入り蕎麦」をすすった。

備前福河で、いつの間にか岡山県入り。塩田跡の不思議な水辺を横目に、カキオコの町・日生へ。飲めないのが悔しいほどお好み焼きの店が増えていた。今日の宿は備前市の片上。駅前にはキハ312がバスの待合室として余生を送り、近くの八幡宮には備前焼の狛犬がちょこんと座っていた。晩ごはんは、まさかの山あいのネパール料理。チーズナンキタ━━!! 皮の厚いジューシーなモモは、いままで食べた中でいちばんだった。

移動 約44.9km / 獲得標高 74m

忠臣蔵と赤穂

赤穂は「忠臣蔵」で知られる赤穂浪士の故郷。発端は江戸城・松の廊下での刃傷沙汰で、藩主・浅野内匠頭は切腹、赤穂藩はお取り潰しとなる。筆頭家老・大石内蔵助は赤穂城を明け渡し、のちに赤穂御崎から船で山科へ退いた。翌年、四十七士が江戸で吉良邸に討ち入り本懐を遂げる——この物語はその後、歌舞伎や講談で数えきれないほど語り継がれ、城跡そばでは「討ち入り蕎麦」まで供されるほど土地に根づいている。

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DAY 3 · 10.12

片鉄ロマン街道と閑谷学校、備前焼の里を経て岡山へ

朝は冷凍しておいた生カステラをデザートがわりに。今日は廃線跡・片鉄ロマン街道を走ってみよう。かつて片上から柵原まで鉱石を運んだ片上鉄道の跡は、勾配ゆるくクルマもいない最高のサイクリング道になっていた。散歩やジョギングの人も多く、現役の頃よりずっと愛されていそうだ。トンネルを抜けて和気へ出て、ため池のほとりから閑谷学校へ。備前焼の瓦が葺かれた国宝の講堂は、「閑谷」の名のとおり静かで品がある。池田光政が庶民のために開いた、世界最古級の庶民学校だ。

片上に戻って、備前焼の里・伊部へ。煉瓦煙突と焼きものの店がずらりと並ぶ。皿よりビアマグに惹かれて、気に入った一客を買った。お昼は自転車すら停める場所のない小さな店で、ピリ辛ソースのからむホモルンうどんを(゚д゚)ウマー。新幹線が水の上を走る大ケ池を眺めてから、備前福岡へ。ここは黒田官兵衛ゆかりの地で、九州の「福岡」の地名のふるさと。祭りのだんじりが出ていて、官兵衛もいた。〆は岡山へ下って、名物のかつそば。豚骨醤油のラーメンに分厚いカツがどんと乗る。

移動 約56.4km / 獲得標高 146m

備前焼の里・伊部

伊部(いんべ)は日本六古窯のひとつ、備前焼の本場。釉薬を一切かけず、1200度を超える窯で何日も焼き締める——その炎と灰だけが生む緋襷(ひだすき)や窯変の景色が、備前焼の魅力だ。駅周辺には赤煉瓦の登り窯の煙突が点々と立ち、焼きものの店が軒を連ねる。江戸期に庶民のために開かれた閑谷学校の講堂も、この地の備前焼瓦で葺かれ、いまも渋い光沢をたたえている。

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DAY 4 · 10.13

西大寺から牛窓オリーブ園・備前長船を巡り帰宅

最終日は快晴。さすがハレンチ岡山。西大寺から、日本のエーゲ海といわれる牛窓を目指す。岡山三大川のひとつ吉井川を渡り、宇喜多直家「国とりはじまりの地」へ。昔の海岸線はこのあたりだったそうで、今は内陸なのに瀬戸内の港の面影がただよう。干拓の水門や、島だったころの名残の亀石神社、備前一宮の安仁神社に手をあわせて、海沿いの道をたどる。

牛窓の町は、思ったよりひなびた湊町。前島へ渡る小さなフェリーを見送って、本日のメインスポット——山の上のオリーブ園へ。今回の旅でダントツにキツい登りの先に、瀬戸内の大パノラマが待っていた。手前の前島、その奥に小豆島。ミルキーなジェラートで火照りをさます。帰り道は日本一のだがし売り場で童心にかえり、備前長船の刀剣博物館へ。展示はなんと全部ふなっしーのコレクション。何百年も前の刃が、こんなに美しく残っているのはすごい。四日間の瀬戸内ポタリング、満腹で完走。

移動 約97.2km / 獲得標高 71m

牛窓と日本のエーゲ海

牛窓は瀬戸内海にのぞむ古い湊町で、朝鮮通信使の寄港地としても知られる。穏やかな多島海と温暖な気候から「日本のエーゲ海」と呼ばれ、国産オリーブ栽培の先進地にもなった。山上の牛窓オリーブ園からは、目の前の前島と、その奥に横たわる小豆島、点在する島々を一望できる。自転車で登りきるのは正直ひと苦労だが、たどり着いた者だけが瀬戸内の大パノラマをひとり占めできる。