久山から篠栗へ やまや工場見学と彼岸花
暇だから、と車を走らせて久山町へ。コストコの巨大倉庫を横目に、まずは朝ご丼。とろりと半熟の親子丼をかきこめば、それだけでもう出かけてよかったと思える。久山といえば、だしで知られる久原本家。久原は地名でもあるらしく——久原と○山、あるいは山○が合併して久山になったのかな、なんて想像しながら、串にささっただし巻き卵をひとくち、ふわっふわ。店をぐるりと歩くと、川べりの生け垣のきわに彼岸花がまっかに、ところどころ白くも咲きそろって、まだ蒸し暑い空気に秋の気配をそっと差し込んでいた。
午後は篠栗へ。博多名物・明太子の「やまや」の工場見学にいざ出陣。原卵はベーリング海で獲れた冷凍のたらこ、塩漬けして品質はAIで選別、タレには唐辛子だけでなく九州の柚子や北海道の昆布、地元の酒まで入れて継ぎ足し継ぎ足し、漬け込みはなんと168時間——一粒の明太子の裏側に、へえ、の連続だった(肝心の工場はお休みで、ガラスの向こうは静まり返っていたけれど)。併設のレストランは明太子食べ放題。お腹も空いてないしパスして、ささぐりーん歩道橋ののんきな響きに笑い、八十八ヶ所霊場で知られるおへんろの町をひとめぐり。カツ丼屋はあいにくお休みで、締めは博多バスターミナルの鉄板焼肉をジュウジュウ平らげて、夕方には帰宅。まっかな秋を、たっぷり持ち帰った。
明太子ができるまで
やまやの工場見学で知った、一粒の裏側。原卵はベーリング海などで獲れたスケトウダラの卵で、鮮度を保つため生ではなく冷凍で運ばれる。塩漬けしてたらこにし、品質はAIが選別。漬け込みのタレは唐辛子だけでなく、九州の柚子・北海道の昆布・地元の酒などを合わせ、使い切らずに継ぎ足して育てていく。漬け込みはおよそ168時間(7日間)。仕上げにX線と金属探知で異物をチェックして、ようやく食卓に届く一粒になる。