← 一覧
愛媛南予・高知檮原 折りたたみ自転車で巡る四万十の旅
NANYO · YUSUHARA · SHIMANTO · 2025 なつ

愛媛南予・高知檮原 折りたたみ自転車で巡る四万十の旅

清流をさかのぼり、雲の上の町へ。銀ちゃんとペダルをこいで四日間。

2025.7.18 ▶ 7.21

Days4日間
Dist約440km
Area愛媛・高知・大分
Top最高 535m

三連休、折りたたみ自転車の新相棒「銀ちゃん」を輪行して、九州から海を渡る。別府港から宇和島運輸の夜行フェリーに揺られ、朝の八幡浜に上陸。ここからペダルをこいで、愛媛の南予から高知の山おくへと分け入っていく。

名水のわく宇和盆地、ダム湖の静けさ、焼きサバに城川の酒蔵。山ひとつ越えて高知に入れば、龍馬たちが脱藩の道をたどった「雲の上の町」檮原、隈研吾の木の建築、そして四万十川——支流の檮原川から本流まで、吸い込まれそうな清流ぞいの酷道をどこまでも下っていく。締めは宇和島の現存天守と、卵黄のタレで刺身をからめる名物・宇和島鯛めし。暑さに汗だくになりながら、南予と四万十をまるごと味わった四日間の記録。

1
DAY 1 · 07.18

福岡を発ち、別府から夜行フェリーで四国へ

旅のはじまりは博多駅のホーム。立ち食いの駅そば屋で、黒いスープの一杯をすする。「ぷらっと博多」で評判のまるうまラーメン——(゚д゚)ウンマカー、もう旅の気分が満ちてくる。

夜、別府港へ。宇和島運輸の夜行フェリーに銀ちゃんを積みこんで、瀬戸内の海を四国へ。待合室の古びた航路図に、今は亡き航路をいくつも見つけながら、船のなかで一夜を明かす。頭の中ではもう明日たどる肱川の最上流と、宇和島の鯛めしを思い描いていた。

移動 約105.7km / 獲得標高 1m

2
DAY 2 · 07.19

八幡浜に上陸、南予の山あいを西予へ下る

早朝、八幡浜に上陸。みかんの段々畑に囲まれた港町から2駅汽車に揺られ、宇和盆地の卯之町でいよいよ銀ちゃんの出番だ。高原に開けた宇和の町には、わらで組んだ巨大なマンモスと稲わらの山「わらぐろ」が田んぼに並んでいて、宇和~っ🦣とテンションが上がる。白壁と格子の卯之町の古い町並みをぬけ、朝ごナンでカレーを平らげて、肱川ぞいを下っていく。

通り雨に打たれながら山をひと登りすると、名水百選の観音水。岩穴から湧き水がドバドバあふれ、冷たくて気持ちいい。沢には🦀がいっぱい。野村ダムの朝霧湖を横目に、川下りのはずがやたら登らされながら(;´Д`)野村の町へ。河岸段丘の崖下の細道をたどり、黒瀬川ぞいの城川へ。山おくの立派な酒蔵に驚き、名物の焼きサバにかぶりついて(゚д゚)ウマイ。

ジオパークの町・西予でひんやりお勉強してから、今夜の宿・宝泉坊ロッジへ。露天風呂でクールダウンして、風呂上がりのプフー🍻。食堂の名物いのししとスープカレーを両方たのんで、明日にそなえてしっかり精をつけた。

移動 約51.3km / 獲得標高 582m

南予のわらマンモス

宇和盆地・宇和町では、稲刈りのあとのわらを円錐形に積み上げた「わらぐろ」が昔ながらの風物詩。その技を使って地元の人が組み上げたのが、田んぼに立つ巨大な「わらマンモス」だ。牙も鼻もわらでできていて、傷んでくると組み替えられる。港町の八幡浜からわずか2駅、山をこえると広がる高原状の盆地に、親子のマンモスがゆるくそびえる姿はなんともユーモラス。のどかな田園風景が、南予の自転車旅のはじまりを告げる。

3
DAY 3 · 07.20

山を越えて檮原へ、四万十川を宇和島まで

長かった西予市を脱出して、鬼北町へ。その名のとおり、町のあちこちに鬼がいる👹。道の駅で出遅れながらも奥伊予名物のうなぎをほおばると、むちむちで(゚д゚)ウマイ。このあたりには街道の休み処「茶堂」がいくつも残っていて、石仏をまつる小さなお堂が旅人を見守っていた。小雨の峠をこえ、トンネルを抜ける前に高知県!25℃、涼しか~(´∀`*)。

雲の上の町・檮原に到着。屋根付き橋をしたがえた三嶋神社に手を合わせ、幕末に志士たちが脱藩の道をたどった「維新の門」の群像に見入る。真ん中が龍馬かと思ったら全然知らん人だったᴡ。町は隈研吾の木の建築だらけ——杉を大胆に組んだ資料館や、歴史ある芝居小屋ゆすはら座をめぐり、もちもちのクルミパンでひと息ついた。

いよいよ四万十川ぞいを下る。といっても上流で出会うのは支流の檮原川。子うさぎに癒やされ、八百とどろの渓谷に息をのみ、ダム建設で架け替えられた立派なめがね橋、津賀ダムの水没エリアを酷道でぬけていく。土佐大正駅でゴォォォール!……と思ったら次の列車は2時間後(゚д゚)。ここでようやく四万十川の本流とご対面。予土線に揺られ、難読の半家や江川崎を経て、牛鬼祭りの支度でにぎわう宇和島へ戻った。じゃこ天に地酒、南予の夜はふける。

移動 約96.1km / 獲得標高 508m

隈研吾と雲の上の町

四国山地のてっぺん近く、標高の高い山あいにある檮原町は、坂本龍馬ら幕末の志士が脱藩の道をたどった「維新の門」で知られる。旅人をもてなした茶堂文化と、ゆたかな森林資源を背景に、建築家・隈研吾が数々の木造建築を手がけた「隈研吾の町」でもある。杉やヒノキを大胆に組んだ雲の上の図書館やホテル、まちの駅、歴史民俗資料館などが点在し、小さな山里に現代建築の実験場が広がる。檮原は四万十川の最源流にも近く、ここから清流の旅がはじまる。

4
DAY 4 · 07.21

宇和島城と鯛めしを堪能し、フェリーで帰る

最終日は宇和島の町をぶらり。まずは和霊神社にお参りすると、境内の大銀杏の下に牛鬼のボディがどんと置かれていた——もうすぐの牛鬼祭りにむけて、仕上げは直前なのね。思ったより小さい。樺崎砲台跡や歴史資料館をのぞき、伊達家の宇和島藩の歴史にふれる。暑いので伊達博物館で涼み、松のいい天赦園の門をくぐった。

そして、苔むす石段をのぼって現存天守の宇和島城へ(;゚∀゚)=3。初めて登って以来、もう20年近く。だいぶ小さい記憶だったけれど、白亜の三重櫓は思ったより大きく、天守は風がよく通って気持ちいい。

いよいよ待ちに待った鯛めしタイム。富屋で出てきた宇和島鯛めしは、卵黄入りのタレに鯛の刺身と薬味をからめ、あつあつのごはんへ。キタ━━(゚∀゚)━━!! 出汁の旨味と卵のトロみと鯛の歯ごたえが完璧に調和して、ごはん何杯でもいけそう。八幡浜で名物の塩パンを買いこみ、フェリーで臼杵へ。さらば四国、また来る日まで(´;ω;`)。

移動 約102.8km / 獲得標高 186m

宇和島鯛めし

愛媛の鯛めしには二系統ある。松山などの「炊き込み」に対し、宇和島の鯛めしは、卵黄を落とした醤油だれに鯛の刺身と薬味をからめ、あつあつのごはんにぶっかけていただく“漁師めし”タイプ。宇和島が伊達家の城下町で、海の男たちが船上で手早くかきこんだのが始まりともいわれる。富屋では店の生け簀の鯛を注文ごとにさばくため歯ごたえがよく、出汁は門外不出。鯛の刺身がのった豪華版・卵かけごはん、と言えば伝わるだろうか。ごはんのおかわりは、ぜひお声がけを。