大分市から竹田・長湯温泉へ
旅のはじまりは、博多から大分へ。まずは豊後国分寺跡をぶらり。こじんまりとした境内に石碑がたくさん立ち、お花も活けてあっていい雰囲気で、桜も一本ほころんでいる。大分市歴史資料館では、大友宗麟がオランダ船から手に入れたという大砲「国崩し」が、黒光りする床のうえにどっしり。かっこいいわね。向之原で小一時間の乗り換え待ちをやりすごしつつ、朝だんごをすする——だんご汁ときしめん、何が違うんかな。(゚д゚)ウマカー。
竹田のコミュニティバスに揺られて直入へ。長湯温泉、またの名を“のぼせ温泉”に到着だ。長湯ダムーンの湖面のむこうには、去年登ったくじゅう連山がよく見える。しだれ桜の里は、肝心のしだれこそいまひとつだったけれど、丘いちめんの桜は上々。千寿温泉でひとっ風呂あびて、炭酸泉の湧き口や、芹川の川中にぽつんとあるガニ湯をのぞいて歩く。だれも入っていない露天風呂が、なんだか可笑しい。
日が暮れて、お目当ての店へ。5時開店の張り紙を信じて待つこと、しばらく。エノハのせごしは、盛られてなお首がパクパク動くほどの活きのよさ。濃厚な味噌仕立てのこいこくに、精のつくスポネ丼(すっぽん)まで平らげて、お腹はパンパン(´・ω・`)。宿に戻れば、館内には竹田天然水。酔い覚ましにぐびり、これがまたかなり美味い。
炭酸の湯・長湯温泉
大分県竹田市直入、芹川の谷あいにわく長湯温泉は、日本でも有数の炭酸泉(二酸化炭素泉)として知られる湯の町。シュワッと泡をまとう湯は体を芯からあたため、のぼせやすいことから“のぼせ湯”とも呼ばれ、湯あたりしないよう湯を飲む「飲泉」の文化も根づく。白黒ストライプの外観で名高いラムネ温泉館は、建築家・藤森照信の設計。芹川の川中には、だれでも入れる無料の露天風呂「ガニ湯」があり、蟹にまつわる古い言い伝えが残る。
久住のしだれ桜巡りと竹田
夜中にちょっと降ったみたいだけど、朝は上々の天気。古い坂本呉服店の立つ静かな通りを抜けて、バスで久住へ向かう。田舎の小学生が一人で路線バスに乗り込んでくるのを横目に、まずは老野湧水へ。石の樋をつたう清らかな水に、溶岩が流れた跡をいまも伝って落ちる湧水の滝。小さな町の商店街では市議会議員選挙の応援でちょっとにぎやかで、貴重な造り酒屋・佐藤酒造の「千羽鶴」が渋い構えをみせていた。
さて、ここからが本番。奥豊後の里にちらばる枝垂れ桜を巡っていこう。稲葉ダムーンを横目に、まずは順照寺——おほ~、ばっちり見頃じゃないの。遅れていた花が、計画通りちょうど満開( ̄ー ̄)。青空いっぱいに枝をひろげる一本しだれに、しばし見とれる。のどかな山里から一転、別世界のように険しい谷底へ降りれば、溶岩の岩肌を落ちる黄牛(あめうし)の滝。なかなか見応えあるわ🐂。御祖神社の鳥居わきに咲きこぼれるしだれ、城原八幡社の立派な杉並木、そして菜の花ごしの墓守桜まで、一本ずつ性格のちがう花に出会えた。
両側が谷の尾根みたいなところに、うまく道と水路を通してある里を歩いて、道の駅竹田でゴーーール!足はもうくたくた(ヽ´ω`)。竹田まで足をのばして、竹田丸福のぶつ切り定食——ごはんが進む。染み渡るビールで、あ゛あ゛あ゛~。久住にも丸福があったし、丸福一族は奥豊後を完全に支配しとるな。竹田駅では、前に来たとき膝に乗ってきた猫駅長がもういなくて、姫だるまだけが見送ってくれた。たまたま次が特急だったので、ちょっとセレブに帰路へ。
奥豊後、しだれ桜めぐり
久住や直入のあたりには、里のあちこちに名のある一本桜や枝垂れ桜がちらばっていて、春になると花を追って巡る人が絶えない。寺の境内、神社の鳥居わき、田んぼのへり——順照寺、御祖神社、菜の花ごしの墓守桜と、一本ずつ性格のちがう木に出会えるのが、この土地の花見のたのしみ。花の遅速は年ごとに気まぐれで、まつりが終わってから見頃がくることも。途中の黄牛(あめうし)の滝は、溶岩が流れた跡の岩肌を水が落ちる、のどかな山里にひそむ別世界のような渓谷だ。