早朝バスで長崎・野母崎へ 樺島灯台と中華街
旅のはじめからドタバタだった。予約したつもりの高速バスが、決済を忘れていてキャンセル済み——それでもICカードでなんとか乗りこみ、早朝の福岡を発つ。長崎に着けば駅は新しくなり、バスターミナルは遠い……それでも漏らさず野母崎にたどり着いた🦖。天気はいまひとつ、まずは屋内から。石炭層から化石の出る土地ならではの恐竜博物館をのぞく。本当はスイセンの里へ水仙を見にきたはずが、暑すぎた夏のせいか今年はほとんど咲いていない。それでも坂道の河津桜はマン開、沖には軍艦のかたちをした端島がくっきり見えた。
脇岬の町には海鮮どころか店が一軒もなく、バスで樺島へワープ。こんな辺鄙な島の、さらにいちばん奥に食堂なんてあるのか——あった、やっていた。名物は大アジフライのトルコライス。アジフライがデカすぎてトルコ(ライス)が見えない。サックサクで肉厚、(゚д゚)ウマカー。大うなぎの井戸をのぞき、長崎県最南端の樺島灯台へ。晴れ間の広がる岬の先で、海をひとり占めにした。
市内へ戻り、世界遺産・小菅修船場跡の、地味だけど日本でも最古級という煉瓦の建屋をたずねる。登っても登ってもまだ上に家がある、長崎名物の斜面のまち。鍋冠山にのぼれば、造船のまちに日が落ちて、黄昏の港が金色に染まった。日が暮れてから新地中華街へ降り、辣ちゃんぽんとハトシで〆。宿のおへやでは、猫のかまぼこ「ねこかま」で2次会にゃん😻。
軍艦島(端島)
野母崎の沖にぽつんと浮かぶ、長崎市の無人島・端島。明治から昭和にかけて海底炭鉱で栄え、狭い島にコンクリートの高層アパートがびっしり建ちならんだ。その姿が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれる。1974年の閉山で無人となり、2015年に「明治日本の産業革命遺産」の一部として世界遺産に登録された。上陸ツアーもあるが見学できる範囲はごく一部で、野母崎からはその全景をいちばん近くに望める。
出島から船で伊王島、風頭公園と長崎スタジアムシティ
二日目は長崎で一番有名なスポット、出島から。中はまだ開かないので、表門橋ごしにのぞくだけ。天気がいいと、やっぱり船に乗りたくなる。ターミナルでかんころ餅みたいな生姜風味の朝ごはんと、あごだしの効いた五島うどんをすすって、野母商船のフェリーへ。女神大橋をくぐって、沖に豪華客船を眺めながら伊王島に上陸した。
島内バスで向かうのは、珍しい六角形の伊王島灯台。いま建つ白い塔は復元で、すぐ後ろには昔の土台が残る。1杯100円のセルフカフェで彼杵紅茶をいただき、キリスト教率が日本一だったという島の天主堂へ。帰りは伊王島大橋を歩いて渡る——高さと開放感があってちょっと怖いけれど、見下ろす海は吸いこまれそうに澄んでいた。かつて船で通った島が、いまは橋でつながっている。
本土に戻り、坂をのぼって風頭公園へ。海を見つめる坂本龍馬像と、撫でさせてから餌を強請るプロの猫。喜助うどん、檻の中に狛犬のいる諏訪神社、防空壕の跡で原爆の記憶にふれる。締めは新名所・長崎スタジアムシティ。地元の柑橘「ゆうこう」を使った醸造ビールで乾杯して、夜のJRで長崎を発った。
六角形の灯台と、キリシタンの島
伊王島は長崎港の外海に浮かぶ島で、2011年に伊王島大橋で本土とつながるまでは船が頼りだった。島の先端に建つ伊王島灯台は、明治のはじめに点灯した洋式灯台で、全国でも珍しい六角形。いまの白い塔は復元されたもので、すぐ後ろに当時の石の土台が残る。この島は長崎市と合併するまでキリスト教の信者率が日本一だったといわれ、天を指す尖塔の天主堂をはじめ、潜伏キリシタンの歴史が色濃く残る。