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鬼夜の火の粉を浴びに ― 大善寺玉垂宮
ONIYO · 日本三大火祭り · 2025 睦月

鬼夜の火の粉を浴びに ― 大善寺玉垂宮

闇に大松明が燃えあがる、久留米の火祭り。

2025.1.7

Days1日間
Dist約52km
Area福岡・大木町・久留米
Top最高 71m

一月七日、松の内のおわり。火と鐘の音に誘われて、筑後平野へ出かけた。まずは福岡でうどんの昼ごはん――お目当ての白いカレーうどんは限定終了でおあずけ(´・ω・`)。それから三潴郡大木町の道の駅で、ポットに生えたきのこをボキボキもいで買う。

日が落ちて、久留米市大善寺町の玉垂宮へ。雨とも雪ともつかない水滴の舞う寒空の下、境内には六本の大松明が横たわり、夜店の灯りがにじむ。日本三大火祭りのひとつ「鬼夜」――闇のなかで神が鬼となり、人々の厄を集めて燃やす、千六百年つづく火の神事。鼓膜をふるわす太鼓と鐘のなか、火柱を見上げた、まんぷくで熱い(けれど寒い)一日の記録。

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DAY 1 · 01.07

大木町の道の駅と、久留米・大善寺玉垂宮の鬼夜

旅のはじまりは福岡のうどん屋さん。ずっと気になっていた白いカレーうどんは、限定メニューでもう終わっていた(´・ω・`)。それでも温かい一杯で腹をあたため、三潴郡の大木町へ。水路(クリーク)が網の目のように走るこの町のもうひとつの名物は、きのこ。道の駅おおきでは、ポットに生えたきのこを自分でボキボキもぎとって買い、ポットは返す――という愉快な売り方をしている。きのこ頭のブロンズ像に見送られ、天然温泉アクアスを横目に、いよいよ夜の本番へ向かう。

久留米市大善寺町の玉垂宮に着くころには、雨とも雪ともつかない水滴が舞い、寒さに((((;゚Д゚))))ガクガク。鳥居の先の境内には、これから燃やされる長さ十数メートルの大松明が六本、横たわって出番を待つ。はしまきに綿あめ、夜店はお祭りムード全開。たこ焼きをほおばりつつ、始まるまでは予習ビデオで行程のおさらい。鬼夜の「鬼」は、実は神様。氏子の厄を一身に集めて鬼の姿となり、炎で身を清める――そんな意味がこめられた神事なのだと知る。

やがて境内の照明も夜店の灯りもスマホの光も、すべて消えて闇に沈む。そこへ大松明が点火――締め込み姿の男たちが松明によじ登ってロープを切り、燃え進むのに合わせて竹の棒で支えをずらしていく。絶え間なく打ち鳴らされる太鼓と鐘。火の粉が雨のように降り、本殿まで燃えうつりそうで心配になるほどの迫力だ。六本の松明が本殿横へ移り、楼門をくぐる……その最後までは見届けられず、終電の時間で後ろ髪を引かれつつ退散。翌未明、火薬のにおいを連れて帰り着いた。

移動 約51.7km / 獲得標高 54m

鬼夜(おによ)とは

久留米市の大善寺玉垂宮で、毎年一月七日の夜に行われる火祭り。千六百年あまり続くと伝わり、「日本三大火祭り」のひとつに数えられ、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。見せ場は、長さ十数メートル・重さ一トンを超える六本の大松明。これに火が入ると、締め込み姿の氏子たちが「オイサ、オイサ」と担ぎ、境内をめぐる。炎の喧騒の裏では、灯りを消した闇のなかで“鬼”の神事が同時に進む――この鬼は祓われるべき悪ではなく、人々の厄を一身に集めて清める神なのだという。収穫後の稲むらを焼く小正月のどんど焼き(福岡でいう「ほんげんぎょう」)とも通じる、火で年の穢れを焼きはらう行事だ。