福岡から日田を観光しバスで杖立温泉へ
土曜の早朝、まだ暗いうちに福岡を発って、水の郷・日田へ。乗り継ぎまで二時間近くあるから、顔みたいに並べたつもりがちっとも顔にならなかった🍙で腹ごしらえ。三隈川のほとりを歩き、豆田の古い町並みを抜けて、亀山公園では終わりかけの紅葉がまだきれいだった。ついこの前まで半袖だったのに、急に冬が来たみたいで、ちょっと寒い(゚∀゚)=3
大山ダムでは、堤体のてっぺんから超大型巨人がぬっと顔を出す——『進撃の巨人』作者のふるさとで、クラウドファンディングで建った銅像だ。誰も来ないだろうと思いきや、ちゃんと観光資源になっていた。お昼は想夫恋の日田焼きそば。細もやしと麺を鉄板に押しつけて、ところどころカリカリ、ずっとシャキシャキ。
大山は梅の郷。梅で稼いで、みんなでハワイに行ったという豊かな台地を横目に、バスを乗り継いで杖立温泉へ。日が暮れて気温は−1℃。宿の蒸し場で芋と卵を蒸したら、塩をふっただけなのに(゚д゚)ウマカー。小国の地酒をちびちび、ほんのり硫黄の香るぬるすべの湯に、何度もちゃぷった。
大山ダムと進撃の巨人
『進撃の巨人』の作者・諫山創は、ここ日田市大山町の出身。物語の着想の原点がふるさとの風景にあったとされ、2020年、大山ダムの堤体をのぞむ広場に、主人公エレンとミカサ、アルミンの少年期像が建てられた。巨大な堤体を“壁”に、それを見下ろす超大型巨人になぞらえた構図で、費用はクラウドファンディングでまかなわれた。辺鄙な山あいにもかかわらず、聖地として全国からファンが訪れる、ダムと漫画が結びついた新しい名所だ。
旧宮原線廃線跡を歩き温泉と豊後森機関庫へ
朝風呂でほかほかに温まって出発。雪になるかと思ったら、しとしと雨。湯けむりの立つ杖立の温泉街を抜け、交通系ICの使えない産交バスで肥後小国へ。道の駅ゆうステーションは、もとは国鉄宮原線の肥後小国駅。ここから、1984年に廃止された鉄路の跡を歩いていく。
川を渡ると、いきなり真っ暗なトンネル。ボタンを押すと灯りがつく仕掛けにほっとする。終わりかけの紅葉のなか、あちこちから牛の鳴き声を聞きながら、アーチの美しい幸野川橋梁をわたる。遊歩道の終点・北里駅は、千円札の顔・北里柴三郎のふるさと。ブルワリーで柴三郎ビールを手に入れた。
廃線さんぽのごほうびは温泉はしご。奴留湯は硫黄ぷんぷんのかけ流しだけど、名前のとおりぬるい!ぬるすぎる!(((;゚Д゚)))。岳の湯は、民家からも湯気がもうもうと噴き出す湯けむりの町。青白い硫黄の露天で涌蓋山を眺め、ゆけむり茶屋で蒸し料理の昼ごはん。
終バスに間に合わせて、麻生釣から豊後森へ。扇形にひらく旧豊後森機関庫は、転車台を囲んでSLを納めた車庫の跡——『すずめの戸締まり』のゲートも立っていた。日の長さに日本の広さを感じつつ、日田にもどってホルモンちゃんぽんで〆。鉄路は消えても、湯と湯気はまだ温かい二日間だった。
旧国鉄宮原線
肥後小国(熊本)と恵良(大分)をむすんでいた、全長およそ26kmのローカル線。戦時中の資材不足から、鉄筋のかわりに竹を筋に入れたコンクリートで橋梁が造られたことで知られ、幸野川橋梁や北里橋梁のアーチが、いまも遊歩道として残る。1984年に廃止され、沿線の温泉郷からは鉄道もバスもほとんど消えた。それでも、トンネルや橋梁、駅跡をつないで歩けば、湯けむりの山里に鉄路が通っていた時代の気配がよみがえる。