基山の紅葉と佐賀競馬、鳥栖泊
けやき台の駅に降り立って、まず向かったのは国境の石。「従是北筑前國」「従是東筑前國」「従是西肥前國對州領」——筑前と肥前の境をしめす石柱が、いまも県境としていきている。国道と鉄道が通りぬける交通の要衝で、すぐそばの基肄城水門跡には、元寇よりはるか昔、防人の時代の石垣が残っていた。名物の基山肉うどんは、甘く煮たほろほろの牛肉と甘い出汁が(゚д゚)ウマカー。麺は口当たりやわく、もちもちというより噛みきれないふしぎな歯ごたえ。
基山駅から出ていたシャトルバスで、大興善寺へ。裏山まるごとが契園という紅葉の名所で、HPには見頃とあったけれど実際はまだまだ——それでもところどころ色づいて、赤・橙・黄・緑のまだら模様がかえって楽しい。これが今年の初もみもみ。前歯にばりくっつく焼きよもぎ餅をおやつに、久留米の水天宮(全国の水天宮の総本山)と、肥前一宮の千栗八幡宮に手をあわせた。
そして日が暮れるまえの佐賀競馬場。客がいなさすぎてワロタ、とぼやきつつ第一レースに間にあう。目の前を駆けぬける馬は、やっぱりスピードがちがう。まず腹ごしらえに焼きそばと焼きちんぽ——汁もないのに汁があるみたいな味がして(゚д゚)ウマカー。三レース目からガンガン賭けて、負けて、やさぐれて、ついにシャァァ勝ったァァ、払い戻し六百円。鳥栖にしけこんで、梅しそのとすかつと〆の中華そばで一日を閉じた。
三国境石と基肄城
けやき台のそばに立つ石柱には「従是北筑前國」「従是東筑前國」「従是西肥前國對州領」と刻まれ、筑前国と肥前国(対馬藩領)の境をしめす。いまも福岡・佐賀の県境であり、国道と鉄道が貫く交通の要衝だ。背後の山にのこる基肄城(きいじょう)は、白村江の敗戦をうけて築かれた日本最古級の古代山城のひとつ。水門跡の石垣は、元寇よりもはるか昔、七世紀の防人の時代のものだという。
地方競馬のたのしみ
佐賀競馬場は、鳥栖にある地方競馬のレース場。中央から落ちてきた馬も多く走り、昼過ぎからナイターまでレースがつづく。場内にはいまも昔ながらの売店が点々とあって、焼き鳥やとうきび、名物の焼きちんぽ(魚のすり身を焼いた練り物)を売っている。予想屋さんはいるがラッパ隊はいない。人気どおりの決着が多く、単勝ではなかなか稼げない——それでも鼻の差の攻防に一喜一憂するのが、地方競馬のたのしみだ。
佐賀県庁展望ホールと神埼・九年庵の紅葉
二日目は鳥栖駅の中央軒でかしわうどんの朝ごはんから。「うどんなの?」「九州やけん根」。久留米からバスに乗りかえて佐賀市へ——しかもこの日は佐賀のバス無料DAYで、八百六十円のはずの道のりがタダだった💕 小雨のぱらつくなか、長崎街道の宿場の名残や旧古賀銀行のレトロな赤煉瓦をのぞく。
佐賀県庁の展望ホール、SAGA360へ。地上百メートル近い窓辺に、でかいゴジラがぬっと構えて市街ににらみをきかせている。佐賀県のかたちはゴジラに「対(つい)」になっている、だと!? 殺られる二秒前のアングルを楽しんで、高速バスで神埼へ向かう。
限定公開中の九年庵は、まぁ期待はしていなかったけれど紅葉はまだまだ。千円も取られるわりに、と苦笑いしつつ、隣の仁比山神社のほうがいい雰囲気だと見なおす。色づかぬ紅葉のかわりに出迎えてくれたのは、まさかの秋のひまわり畑。綾部でぼたもちを買い、新鳥栖から新幹線でひとっ飛び、福岡でカリカリの焼き鳥と〆のトンコツをやっつけて帰った。
佐賀県庁のゴジラ
佐賀県庁の最上階、地上約百メートルの展望ホールSAGA360には、市街を見下ろす大きなゴジラが据えられている。きっかけは「佐賀県のかたちがゴジラに似ている」こと——県は怪獣を“かたち観光大使”に任命し、窓いっぱいに睨みをきかせる顔や、県の形と向きあう立像を展示した。無料で入れて、有明海方面まで一望できる、ちょっと人を食った展望スポットだ。