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高千穂から山都へ、神話と造り物の旅
TAKACHIHO → YAMATO · 2024 初秋

高千穂から山都へ、神話と造り物の旅

天岩戸の神話をたどり、八朔祭の大造り物に出会う二日間。

2024.9.7 ▶ 9.8

Days2日間
Dist約146km
Area宮崎・熊本
Top最高 497m

九月のはじめ、早朝の福岡を発って熊本で高速バスに乗り継ぎ、山あいをぐんぐん上って神話の里・高千穂へ。天照大神が身を隠したという天岩戸、クリアブルーの水が流れる天安河原、坂の上の棚田、そして夜神楽——日本神話の舞台を一日かけて歩く。

翌日はバスで山をこえて熊本・山都町へ。お目当ては八朔祭。肌は松ぼっくり、蛇腹は鬼灯、腹巻きは貝殻——身近な自然の素材だけで組み上げた数メートルの「大造り物」が、通りにずらりと並ぶ圧巻の祭りだ。通潤橋に立ち寄り、締めは熊本の黒亭ラーメン。神話と手わざ、ふたつの驚きにあふれた二日間の記録。

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DAY 1 · 09.07

高千穂、天岩戸の神話をたどる

早朝の福岡を発ち、熊本で高速バスに乗り継いで、山あいをぐんぐん上って高千穂へ。真新しいバスセンターに降り立つ頃にはもう昼過ぎ、残暑のアツさにやられつつ、まずは「のぶ」でひさしぶりのうなぎ。宮崎県産まるごと一匹、ご飯と別々の白焼きも追加して、むっちりからのふんわりにひとり悶絶する。

腹ごしらえのあとは、いよいよ神話の里へ。天照大神が身を隠したという天岩戸神社、岩戸川をさかのぼった先の天安河原は、クリアブルーの水と無数の積み石がつくる、不思議な祈りの場。坂を登れば高千穂の棚田が段々と広がり、七本杉なのに数えると九本ある杉並木で、思わず首をかしげた。

三田井の宿に落ち着いて、夜は高千穂神楽へ。灯のともる参道をのぼり、岩戸開きの神話を舞で見せる神楽を鑑賞する。天岩戸系の舞は意味をつかみづらいけれど、最後にイザナギ・イザナミが登場する一幕はとびきりわかりやすくて面白い。高千穂の夜は、しみじみと更けていった。

移動 約75.9km / 獲得標高 95m

天岩戸神話

弟スサノオの乱暴に怒った天照大神が天岩戸にこもると、世界は闇に包まれた。困りはてた八百万の神々は天安河原に集まって相談し、アメノウズメの神がかりの舞と、岩戸の前の大騒ぎにつられて天照がそっと顔をのぞかせた瞬間、力自慢の神・手力男命が岩戸を開いて世に光が戻った——高千穂は、この神話の舞台とされる地だ。天岩戸神社では岩戸そのものをご神体として拝み、夜神楽はこの物語を今に舞い伝えている。

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DAY 2 · 09.08

山都・八朔祭、自然でつくる大造り物

高千穂を離れ、ごかせ号で山をこえて熊本・山都町へ。この日のお目当ては八朔祭。江戸時代から続く祭りの主役は、町の人たちが手づくりする巨大な「大造り物」だ。肌は松ぼっくり、蛇腹は鬼灯、腹巻きは貝殻、たてがみは流木や羽根——身近な自然の素材だけで組み上げた高さ数メートルの獣や神が、通りにずらりと並ぶ。

閻魔大王に弁慶、サイにフグに龍、麦わら帽子までちゃんと麦わらのルフィ——「その辺のおっちゃんたちが作っている」とは信じられないクオリティに、ただただ唸る。13時からの引き回し審査では、一基ずつ入場して、作り手がモチーフと材料を説明し、審査員の先生方が周りを回って品定め。辰年にちなんで、今年は龍が多めだった。

矢部のケンチキ——スパイスの効いた唐揚げでブランチして、ほど近い通潤橋へ。熊本行きのバスに揺られ、緑川沿いの棚田を眺めながら桜町バスターミナルへ。〆は黒亭のラーメン。マー油の香る熊本の一杯をすすって、夜の福岡へ帰り着いた。

移動 約70.1km / 獲得標高 28m

八朔祭の大造り物

山都町(旧・矢部町)に二百年以上続く八朔祭の名物。竹や杉で骨組みを組み、松ぼっくり・鬼灯・貝殻・流木・木の実など、自然の素材だけで、歴史上の人物や動物、話題のキャラクターをかたどった高さ数メートルの造形物を各団体がつくり上げる。鱗にする流木を延岡まで取りに行くこともあるという。祭り当日は一基ずつ入場して引き回しと審査が行われ、作り手が手塩にかけた“動く芸術品”が沿道をにぎわせる。