山都町の通潤橋放水と御船の恐竜博物館
福岡を遅めに出て、たどり着いた山都町はもう刺すような暑さ(;´Д`)。放水の前に、まずは矢部の町をぶらり。ちょうど八朔祭の季節で、木の皮や杉の葉で組んだ「大造り物」が町のあちこちに据えられていた。神社には藁の虎、通りには巨象や野人——くまモンを怪獣に仕立てた「くまモンスター」まであるという、力作ぞろい。半月早く来ていれば祭り本番だったらしい。
そして国宝・通潤橋キタ━━!! 九州には石橋が山ほどあるけれど、脚もとへ大きく広がる足回りがとにかくかっこいい。谷に落ちる五老ヶ滝を眺め、500円を払って橋の上へも登ってみる。さあ放水の時間——ぷっしゃぁぁぁぁ! 橋の中央から勢いよく水柱が噴き出し、滝壺にいるのと同じくらいの風と水しぶきが押し寄せる。想像よりずっと迫力があって、めちゃ涼しい♥ 矢部茶の濃厚ソフトでひんやりチャージ。
午後は御船町へ。山都に輪をかけて暑いので、恐竜博物館で涼む🦖。骨格標本がずらりと並んでなかなかの見応え。まちなかにも恐竜のオブジェ、化石つながりのブルック像、中華屋の看板にまで恐竜——さすが「恐竜の町」。熊本市内のスパ併設の宿に入り、夜はカナダ産を熊本で肥育したという馬刺し。ふたえごは弾力、たてがみ(コウネ)は脂が甘く、玉ねぎスライスがよく合う。お供は、もちろん地酒「通潤」。
国宝・通潤橋
嘉永7年(1854年)、水に乏しい白糸台地へ水を送るために惣庄屋・布田保之助が架けた、石造アーチの水路橋。橋の上に通した石管をサイフォンの原理で水が越えていく仕組みで、中央からの放水はもともと、管にたまった土砂を抜くための点検作業だった。それがいまでは夏の名物となり、豪快な水柱を見物客が待つ。2023年、橋として初めて国宝に指定された。
嘉島の湧水めぐりと熊本市街の馬肉料理
二日目は御船の町歩きから。右岸に大きな施設が増えたけれど、左岸には古い本町が残り、足もとには恐竜のマンホール。西南戦争のときには、二日だけ県庁が置かれた町でもあるのだとか。暑いので断層見物はあきらめ、バスで嘉島町の湧水へ向かう。川の水が、とにかく澄んでいる。
まずは足手荒神・甲斐神社。手足にご利益があるという社でお守りをいただき、もふもふの「神の使い」に抜け毛まみれにされる。そして下六嘉湧水群——護岸の足もとから冷たい水がこんこんと湧き、透きとおった水底まで見える。水着を持ってくればよかった(´・ω・`)。広くて深い浮島の池は一面の水草で、のぞけば魚がいっぱい。昼は湧水で打った蕎麦を一枚。コシが強く、天ぷらはサクサクで甘い。
熊本市街へ戻る。かっこいい健軍のアーケードを抜けて健軍神社へ。「健軍」という地名の土地に軍隊が来て、いまも自衛隊の街というのがなかなかいかつい。県庁前の銀杏並木に立つルフィ像に寄り、松と池がのびやかな水前寺成趣園をめぐる。夜は一文字ぐるぐるに、揚げたての辛子蓮根、牛深のキビナゴ、デコポンハイボール、〆は天外天のこってりラーメン🍜🍥。市電に揺られ、満席のつばめで福岡へ帰った。
熊本は地下水の都
阿蘇のたび重なる噴火がつくった厚い火山灰・溶岩の層が、巨大なスポンジのように雨水を蓄える。おかげで熊本地域の水道は、ほぼ全量を地下水でまかなう、全国でも珍しい都市だ。嘉島や益城のあたりでは、川べりや護岸の足もとから水がこんこんと湧き、夏でもひんやり冷たい。その湧水で打つ蕎麦や、水底まで透きとおる湧水プールが、酷暑のなかの涼を運んでくれる。