牛久大仏を拝観し龍ケ崎に宿泊
日暮里から電車を乗り継いで、まずは阿見のアウトレットへ。といっても「アウトレットに用はねぇ」——駐車場は車でいっぱいなのに、どこか空いて見える不思議な空気だけ味わって先を急ぐ。いかにもやる気なさげな観光地の食堂でお昼をかきこみ、いよいよ本命へ向かった。
遠くからだと存外ちいさく見えるのに、近づくほどに青銅の巨人がせり上がってくる。足もとの日本一という大香炉を見上げ、台座の中へ。胎内はすっかり近代的で、大仏ができていく過程の写真がいちばん面白い。展望台の細い窓からの眺めは、まあそれなり。起伏のある庭園は、仏さまをいい角度で望める場所が意外と少なく、池では鯉が浅瀬に大集合して座礁していた。
夕方、龍ケ崎へ。ちょっと珍しい狛犬のいる八坂神社に手を合わせ、今夜の宿は元結婚式場だったという一軒。赤じゅうたんの廊下はどこか出そうで出ない空気で、部屋では壁の日本人形と目が合う。夕食はわかさぎフライ——大きめのが6本、米もうまい。食後の茨城メロンまでたいらげて、夜はしずかに更けていった。
牛久大仏
1993年、浄土真宗東本願寺派の霊園・牛久浄苑に建立された青銅製の立像。全高120メートルはブロンズ立像として世界最大級で、ギネスにも登録されている。像内はエレベーターで地上85メートルの胸のあたりまで上がれる構造で、胎内には建立の過程をたどる展示や、金色の荘厳な空間が広がる。足もとには広大な霊園と日本庭園が広がり、花の季節には色とりどりに彩られる。
バスで新利根・江戸崎から佐原へ
朝の龍ケ崎から、江戸崎方面のバスに乗る。なにせ街の中心部のバス停は1日1本——その貴重な一本に、なぜか4人も乗っていた。車窓にひろがるのは、早苗のそよぐ水田と、あぜに点々と立つのぼり旗。やがて着いた直売所でブランドかぼちゃのお値段を見て、思わず腰を抜かす。B級品でもなかなかのお高さで、1個入りの化粧箱まである、まるでメロンみたいな贈答ポジのかぼちゃだった。
茨城のラーメンといえば、ドライブインの「にんたまラーメン」。濃厚スープに揚げにんにくがどっさり効いている。新利根川をわたり、茅葺き屋根の平井家住宅をのぞいて、生垣のつづく「ちばらき」の小径をゆく。江戸崎で乗り換えて神崎へ……のはずが、マラソンで途中までしか行かず、仕方なく佐原行きに乗りかえた。
行ったことがない気がして寄った佐原の道の駅は、着いてみれば来たことがあった。足もとのポケモンマンホールや「千代子ばあちゃんの手作り海藻」をひやかし、早いけれど帰路につく。おみやげは地酒のどぶろくに、江戸崎かぼちゃのパイ、龍ケ崎名物のくず餅——茨城南部の味を少しずつ、かばんに詰めて帰った。
江戸崎かぼちゃ
茨城県稲敷市の旧・江戸崎町周辺でつくられるブランドかぼちゃ。甘みとほくほくの食感が評判で、1個でもなかなかのお値段、10kg箱なら1万円を超えることもある高級品だ。「江戸崎かぼちゃ」の名はJA稲敷の認定を受けた品にだけ許され、それ以外は「江戸崎南瓜」「江戸崎産かぼちゃ」などと表記される。地理的表示(GI)にも登録された、地元自慢の初夏の味覚である。