← 一覧
桃源郷と、リニアと、五重塔
YAMANASHI DAY TRIP · 2023 さくら前線

桃源郷と、リニアと、五重塔

春爛漫の甲斐路を、日帰りで。

2023.4.8

Days1日間
Dist約56km
Area山梨(笛吹・河口湖・富士吉田)
Top最高 906m

平日のまんなかに、ぽっかりあいた一日。明日は仕事、でも春はいま盛り。思い立って甲斐路へ、日帰りで飛び出した。

笛吹市御坂の丘はいちめんの桃色——甲府盆地を見下ろす斜面に、桃の花と菜の花がもくもくと咲きこぼれる、まさに「桃源郷」。畑のおっちゃんに今いちばんの見頃を教わり、花のあいだを歩きまわる。沿線では「リニアニキ」たちにまじって試験走行のリニアを待ち伏せし、御坂の町でカツ重をかきこんで、午後はバスで河口湖へ。締めは下吉田・新倉山の五重塔と桜、富士山を望む絶景に、味噌仕立ての幅広うどん。春をおなかいっぱい味わった、日帰りとは思えない濃い一日。

1
DAY 1 · 04.08

笛吹の桃源郷とリニア見物、河口湖・新倉山の花見

「所詮いばらぎ」なんて軽口をたたきながら朝いちで山を越えて、ついたのは笛吹市御坂。バスを降りて坂をのぼると、もう目のまえが桃色でいっぱいだ。畑のおっちゃんが「下のほうは昨日の風でちっちゃった、今いちばんは上のここだよ」と見頃を教えてくれる。桃の花はもう終わりかけ、でもギリギリ間に合った——甲府盆地をはるかに見下ろす斜面に、桃のピンクと菜の花の黄色がかさなって、春というより初夏みたいな陽気のなか、汗ばみながら花のあいだをさまよった。

もともとのルートをだいぶ外れて花に見とれていたら、沿線にちらほら人だかり。リニア実験線だ。見物のじいさんいわく「15分おきくらいで来る」。待っていると——リニアキタ━━!! はじめは真ん中で止まって折り返し、次はトンネルの奥まで行って戻ってくる。雪をかぶった南アルプスを背に、未来の白い車両が目の前をすべっていく。スピードはまだ控えめだけど、乗れる日が来るかどうかは静岡しだい。花鳥山の展望台には、星をちりばめたような模様があるという不思議な「星石」もあった。

お腹ぺこりんこで御坂の町へおりて、レミオロメン行きつけというひさご食堂でカツ重。ケチャップをかけると、これがカツに驚くほど合う。腹ごしらえのあとはお花見第二ラウンド、ピンクと黄色の春爛漫をもうひと巡り。いちばん上まで登りきってから、バスで河口湖へ抜けた。

河口湖はインバウンドでにぎやか、桜もまだまだ見頃。「富士急行線」が富士山麓電気鉄道に名前を戻したばかりの駅前で、レトロな旧型電車を横目に、電車で下吉田へ。新倉山浅間公園では、朱塗りの五重塔(忠霊塔)と桜、そして富士山がそろう絶景——フォトスポットは5分制限でも長蛇の列ができるほど。舞い散る花びらに見とれ、クソ寒いと震えながら、締めは濱野屋で味噌仕立ての幅広うどん。平たい麺をすすって、春の日帰り旅はおしまい。

移動 約56.1km / 獲得標高 1m

リニア中央新幹線 実験線

山梨リニア実験線は、都留市から笛吹市にかけて約43kmにわたって延びる超電導リニアのテストコース。走行試験の日は沿線に見物人が集まり、浮上して走る車両を無料でながめられる。花鳥山の展望台はその人気スポットのひとつで、桃畑と甲府盆地を見下ろす高架を、白い車両が滑っていくさまが見える。試験走行なので時速はおさえめだが、営業運転では時速500km級。品川〜名古屋の開業は、トンネル工事をめぐる議論もあって長らく足踏みが続いてきた。

新倉山浅間公園の五重塔

富士吉田市・下吉田の高台にある新倉山浅間公園は、桜・五重塔・富士山を一枚におさめられる絶景で、いまや海外からの旅行者にも大人気。塔は戦没者を慰霊するため1963年に建てられた「忠霊塔」で、朱塗りの五重の屋根がうつくしい。春は約650本のソメイヨシノが咲きそろい、塔の正面のフォトスポットには、撮影5分制限が設けられるほどの行列ができる。