中野サンプラザのホテルに投宿
夕方、中野駅前にそびえる三角の塔・中野サンプラザにチェックイン。高層階のおへやに荷をおろして、まず窓辺に立つ。眼下にひろがる中野の街並みは、再開発のクレーンと伸びゆく高層ビルの向こうに、金色の夕空をにじませていた。中央線がすべりこむ駅のホーム、びっしりと建てこんだ屋根の群れ——このてっぺんから見おろせるのも、あと少しだ。
日が落ちると、窓の外はすっかり夜景に。スマホを構えても、思いのほか綺麗に撮れる。部屋は小ぎれいだけれど、設備はいかにも“昭和のホテル”で、冷房が22度でなんだか寒い、wifiは心もとない、コンセントが少ない……とツッコミどころは尽きない。それでも、半世紀分の夜景を独り占めするような気分で、消えゆく塔の一夜を静かに過ごした。
中野サンプラザ
1973年、勤労者向けの福祉施設としてオープンした、中野駅前のランドマーク。白い三角形のシルエットが特徴で、約2000席のコンサートホールは数々のアーティストのライブの舞台となり、ホテル・結婚式場・レストランも備えた複合施設だった。2023年7月に閉館し、再開発のため解体へ。半世紀にわたって街の顔でありつづけた“三角の塔”は、多くの人の記憶に残る存在となった。