三浦半島の低山縦走と三崎の海鮮
スタートは逗子駅。寒波のきびしい朝だけれど、空は雲ひとつない。まずは三浦半島でいちばん高い大楠山をめざして、残雪の残る道をゆっくり登っていく。頂のらせん階段の展望塔にのぼると——うわ、めっちゃ人多いな。それもそのはず、相模湾ごしに雪をかぶった富士、東京湾の向こうにスカイツリー、海の先には真っ白な伊豆大島の三原山まで、ぐるりと見渡せる得がたい眺め。足もとでは早咲きの桜がもう咲きはじめていた。
続いて武山へ。山の上なのに人だかりだと思ったら、この日はちょうど初不動。赤いのぼりの参道に屋台がぎっしり並び、下ってくる人はみな菓子をぶら下げた笹の枝を手にしている。朱塗りのお堂にお参りして、砲台山の円い砲台跡、三浦富士の小さな祠と、小さな頂を軽やかにつないでいく。尾根からの海の眺めは、どこも気持ちがいい。
山を下りれば、そこは三浦の畑。やぐらにずらりとぶら下がった三浦大根が、冬の日ざしにまぶしい。キャベツ畑の一本道を抜けて海辺へ出るころには、バスの車窓に夕日が沈んでいく。そして締めは三崎の海鮮——くろば亭で乾杯して、白子の天ぷら、とろけるお刺身、このあたりだけの呼び名だというメトウイカに舌鼓。最後はちゃんぽんでおなかを満たして、日帰りの一日を気持ちよく閉じた。
大楠山からの大展望
三浦半島でいちばん高い大楠山の頂には、らせん階段の展望塔が立つ。空気の澄んだ冬の日には、相模湾ごしに雪をかぶった富士山、東京湾の向こうに房総半島やスカイツリー、さらに海の先に伊豆大島の三原山まで見渡せる。標高は高くないのに、関東の名だたる風景をぐるりと一望できる、得がたい山だ。
武山の初不動
武山の山頂に立つ武山不動尊(持経寺)では、毎年一月二十八日の「初不動」に大勢の参拝客が詰めかける。山の上だというのに参道には屋台がぎっしり並び、笹の枝に菓子や梅干を結わえた縁起物が名物として売られる。下ってくる人がみな、お菓子のぶら下がった笹を手にしているのが微笑ましい、三浦の冬の風物詩だ。
三浦大根
やぐらにずらりとぶら下がった大根の寒風干しは、三浦半島の冬の風物詩。三浦大根は肩のあたりがふくらんだ白首の在来種で、たくあんや切り干しに加工される。育てやすい青首大根に主役をゆずって生産量は減ったが、海風にさらされて甘みを増す干し大根の光景は、いまも三浦の冬ならでは。