八重洲から房総半島へ 鴨川・鋸南の水仙と館山
「クリスマスだからたうきお人多いわね」——そんなぼやきから一日がはじまる。アクアラインで東京湾を越えれば、西日本が雪で荒れているのが嘘のように、房総はぬけるような快晴。安房鴨川駅におりて、まずは駅ナカの朝ごはん——「そば屋のそば風おにぎり」は、正直ちょっと高くて美味しくはなかった(´・ω・`)。ローカル紙「房日新聞」の社屋に土地の匂いを感じ、日なたで毛づくろいする看板ねこに見送られて、まちへ繰り出す。
魚見塚展望台にのぼると、眼下に鴨川の海がきらきらと光っていた。ここは「誓いの場」——恋人たちが愛を誓う展望台だというのに、イブなのに誰もいない(´;ω;`)ブワッ。鴨川漁港の澄んだ水、小島の浮かぶ鴨川松島をのぞみ、「松島やあぁ松島や」と口ずさむ。太海にわたると、斜面に入り組んだ家並みがどこか紀州めいて、仁右衛門島の船着き場へと細い道が下っていく。
バスで鋸南へ。時期的にまだ早いかと思ったけれど、水仙はまぁまぁ咲いていて、爽やかな香りがふわり。日当たりのいい斜面はもえ満開だ。南総軒の鴨川名物・さんが焼き弁当と冬物語のビールでおべんとタイム、そして佐久間ダム湖へ。堤体に草の生えたロックフィルダムを見上げ、海に出れば富士山のシルエットごしに日が沈んでいく。夕暮れの館山に着いたものの、駅のまわりに開いている店がなく、夕飯難民に(´;ω;`)。ゆるキャラのダッペエに見送られて、イブのバスで杉並の自宅へ。締めはチキンとケーキ——ひとりでも、ちゃんと旅だった。
房総の水仙
房総半島の鋸南町は、越前・淡路とならぶ「日本水仙三大自生地」のひとつ。黒潮のおかげで冬でも温暖な房総では、12月から1月にかけて早咲きのニホンズイセンが山の斜面を白く染める。鋸南の「をくづれ水仙郷」「江月水仙ロード」などには数百万本が咲きそろい、甘く爽やかな香りがあたりにただよう。水仙は寒さのなかでうつむき加減に咲く花で、師走の房総ではもっとも早い春の便りでもある。
鴨川松島
鴨川の海岸沿いに弁天島・雀島など大小の島が点々と浮かぶ景勝地で、その姿が宮城の日本三景・松島に似ていることから「鴨川松島」と呼ばれる。「安房八景」のひとつに数えられ、夕日の名所としても知られる。芭蕉ならずとも、思わず「松島やあぁ」とうなりたくなる眺めだ。