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ひとりぼっちの房総 水仙紀行
BOSO DAY TRIP · 2022 クリスマスイブ

ひとりぼっちの房総 水仙紀行

恋人はいないけれど、早咲きの水仙と冬の海があった。

2022.12.24

Days1日間
Dist約201km
Area東京 → 房総半島(鴨川・鋸南・館山)
Top最高 189m

クリスマスイブ。恋人たちが街にあふれる一日に、たうきお人の多さに背を向けて、ひとり早朝の八重洲バスターミナルへ。案内の少ない構内で危うく乗り遅れそうになりつつ、高速バスに飛び乗った。レインボーブリッジを渡り、アクアラインで東京湾を越えれば、そこは冬でもあたたかい房総半島だ。

お目当ては、この季節だけ咲く早咲きの水仙。鴨川の港と展望台、紀州みたいな斜面の町・太海、鋸南の水仙郷、佐久間ダム、そして日の沈む館山まで——ちばフリーパスの期間でもないのに、路線バスを乗り継いで房総をぐるり。恋人はいなくても、爽やかな香りと青い海と、締めのチキンとケーキがあった。まんぷくで、ちょっぴりおセンチな、冬の日帰り。

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DAY 1 · 12.24

八重洲から房総半島へ 鴨川・鋸南の水仙と館山

「クリスマスだからたうきお人多いわね」——そんなぼやきから一日がはじまる。アクアラインで東京湾を越えれば、西日本が雪で荒れているのが嘘のように、房総はぬけるような快晴。安房鴨川駅におりて、まずは駅ナカの朝ごはん——「そば屋のそば風おにぎり」は、正直ちょっと高くて美味しくはなかった(´・ω・`)。ローカル紙「房日新聞」の社屋に土地の匂いを感じ、日なたで毛づくろいする看板ねこに見送られて、まちへ繰り出す。

魚見塚展望台にのぼると、眼下に鴨川の海がきらきらと光っていた。ここは「誓いの場」——恋人たちが愛を誓う展望台だというのに、イブなのに誰もいない(´;ω;`)ブワッ。鴨川漁港の澄んだ水、小島の浮かぶ鴨川松島をのぞみ、「松島やあぁ松島や」と口ずさむ。太海にわたると、斜面に入り組んだ家並みがどこか紀州めいて、仁右衛門島の船着き場へと細い道が下っていく。

バスで鋸南へ。時期的にまだ早いかと思ったけれど、水仙はまぁまぁ咲いていて、爽やかな香りがふわり。日当たりのいい斜面はもえ満開だ。南総軒の鴨川名物・さんが焼き弁当と冬物語のビールでおべんとタイム、そして佐久間ダム湖へ。堤体に草の生えたロックフィルダムを見上げ、海に出れば富士山のシルエットごしに日が沈んでいく。夕暮れの館山に着いたものの、駅のまわりに開いている店がなく、夕飯難民に(´;ω;`)。ゆるキャラのダッペエに見送られて、イブのバスで杉並の自宅へ。締めはチキンとケーキ——ひとりでも、ちゃんと旅だった。

移動 約201.1km / 獲得標高 376m

房総の水仙

房総半島の鋸南町は、越前・淡路とならぶ「日本水仙三大自生地」のひとつ。黒潮のおかげで冬でも温暖な房総では、12月から1月にかけて早咲きのニホンズイセンが山の斜面を白く染める。鋸南の「をくづれ水仙郷」「江月水仙ロード」などには数百万本が咲きそろい、甘く爽やかな香りがあたりにただよう。水仙は寒さのなかでうつむき加減に咲く花で、師走の房総ではもっとも早い春の便りでもある。

鴨川松島

鴨川の海岸沿いに弁天島・雀島など大小の島が点々と浮かぶ景勝地で、その姿が宮城の日本三景・松島に似ていることから「鴨川松島」と呼ばれる。「安房八景」のひとつに数えられ、夕日の名所としても知られる。芭蕉ならずとも、思わず「松島やあぁ」とうなりたくなる眺めだ。