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雨の檜原 三頭大滝と蛇の湯温泉
HINOHARA · 2022 晩秋の雨

雨の檜原 三頭大滝と蛇の湯温泉

東京の奥、森と滝と茅葺きの湯へ。

2022.11.23

Days1日間
Dist約17km
Area東京・檜原村
Top最高 1134m

勤労感謝の日の朝、部屋の鍵が見つからず、乗りたかった電車を一本逃すところから始まった。向かうのは東京の最奥、檜原村。バスに揺られて標高千メートル近い都民の森まで登ると、山は冷たい雨にけぶっていた。

ねらいは三頭大滝。ウッドチップを敷いた広い遊歩道をたどり、森林館の展示をのぞき、レストランで山の天ぷらをほおばる。帰りは本数の少ないバスを待たず、数馬の集落まで歩いて下った。茅葺きの旅館、廃校になった分教場、そして秘湯・蛇の湯温泉。雨にぬれた一日を、湯でほどいて帰った。

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DAY 1 · 11.23

檜原都民の森・三頭大滝と蛇の湯温泉

バスを乗り継いで山をぐんぐん登り、たどり着いたのは檜原都民の森。標高はおよそ千メートル、ここはもう東京の天井にちかい。あいにくの雨だけれど、道はしっかり整っているというから、まずは滝を見にいくことにした。森林館の展示はちょっと期待はずれ…と思いつつ、ウッドチップを敷いた遊歩道がとにかく歩きやすい。雨のなかでも登山客はちらほらいる。

滝見橋をわたって谷をのぞき、三頭大滝の白い流れを眺める。昼はレストランとちの実で山の天ぷら定食。左端の白くてサクサクしたのが妙にうまい。小鉢はひのじゃがといもがら、お通しのこんにゃくまで、山の味がうれしい。食べ終える頃にはもう体はぽかぽかだ。

バスの本数が少ないので、数馬の集落まで雨の山道を歩いて下る。けむる谷を見下ろしながら、道ばたの足の神様に、健脚になりますようにと手をあわせた。夢の滝がそっと流れ落ち、集落に降りれば茅葺きの兜家旅館。廃校になった数馬分校では、この地の林業の歴史や木馬の話を、残そうと奮闘するおじいさんが聞かせてくれた。老朽化でいつまで残せるか、とぽつり。

締めは秘湯・蛇の湯温泉たから荘。苔むす茅葺きの湯宿でちゃぷんとひと風呂、雨に冷えた体がほどけていく。帰り道は本宿に寄り道。黄金のイチョウと谷を染める紅葉に見とれ、郵便局ではゆるキャラのポストに笑い、キノコ鍋の材料はあきらめて、豆腐屋ちとせ屋の厚揚げを買って帰った。今夜は厚揚げ鍋だ。

移動 約17.3km / 獲得標高 496m

檜原都民の森と三頭大滝

東京都で島をのぞくと、ただひとつの「村」が檜原村。その奥、標高約1000mに広がるのが都民の森で、三頭山(みとうさん)のふところに遊歩道がのびる。目玉の三頭大滝は落差およそ35m、谷にかかる滝見橋から正面に望める。かつてこのあたりは林業で栄え、伐り出した木を「木馬(きんま)」という木のそりで山から下ろしていた。数馬や本宿の集落には、その時代をしのばせる茅葺き屋根がいまも残り、秘湯・蛇の湯温泉とともに山里の時間を伝えている。