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東濃・奥三河 川魚と紅葉の自転車旅
AKECHI RAIL × BICYCLE · 2022 あき

東濃・奥三河 川魚と紅葉の自転車旅

明知鉄道から相棒をこいで、硫黄の湯と色づく山へ。

2022.10.21 ▶ 10.23

Days3日間
Dist約531km
Area岐阜・愛知
Top最高 729m

秋の夜、東海道新幹線に飛び乗って西へ。車窓食堂シリーズの駅弁をつまみながら、頭のなかではもう明日こぐ山道を思い描いていた。翌朝、明智から相棒の折りたたみ自転車「クロちゃん」にまたがって、東濃から奥三河へと山をこえていく。

レトロな大正村の町並み、矢作川のお頭付きの川魚、やなに酒蔵、硫黄の香る足助の湯。三日目は色づきはじめた香嵐渓から、しいたけと渓流の山道をぬけて、天空の茶畑と田峯のお城へ。登っては下り、川魚をしゃぶりつくし、飯田線と新幹線で豊橋の名物を抱えて帰った、まんぷくで脚にくる三日間。

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DAY 1 · 10.21

東海道新幹線で東京を発ち岐阜方面へ

旅のはじまりは夜の東京駅。東海道新幹線に乗りこんで、車窓食堂シリーズの駅弁をあける。「なんかちょっと美味くなった?」——流れる夜景を肴に、濃いめのハイボールで西へ西へ。

ホテルに着いたのは名古屋。どこに泊まるのかと当てずっぽうで言い当てられつつ、窓の外の大都会のあかりをながめながら、明日からの自転車旅にそなえて早めに眠りについた。おはよう、岐阜県。

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DAY 2 · 10.22

明知鉄道と自転車で旭・足助へ、矢作川の川魚と足助温泉

朝いちで明知鉄道の終点・明智へ。ここから相棒の折りたたみ自転車「クロちゃん」にまたがって、足助の方へ山をこえていく。駅前にひろがるのはレトロな日本大正村——雑貨をならべた服部商店、ミントグリーンの明智郵便局、木造の村役場に大塩医院と、時間がゆるやかに止まった町並みをコトコトめぐった。

山をこえた旭でお昼にありついたのが、矢作川の川魚のお頭付き。「うおーお頭付き!!」蓋からはみ出す大きさに、開ければ尾頭付きのうなぎがどーん。肉厚でふわとろ、肝までついて(≧∇≦)。タレのしみた身をしゃぶりつくし、頭蓋骨だけ残す勢いだった。すぐそばの矢作川には鮎を受ける「やな」、そして酒蔵の中垣酒造で地酒をゲット。酒蔵でワンカップを買うのは、なんだか少し罪悪感がある。

ダムを横目にどどめきの里で一息。日が落ちるのが早く、とっとと宿へ。足助に着くと、猪鍋屋の店先に🐗の毛皮がぶらさがり、軒先には藁のサイレンのような〆縄——足助まつりの火縄銃を飾るお守りだという。今夜の宿は、市街から少し離れた白鷺温泉。閑古鳥が鳴きそうな鄙びた宿だけれど、廊下には十四代、硫黄の香るいいお湯だった。

移動 約109.4km / 獲得標高 236m

矢作川のお頭付き

東濃から奥三河へ流れくだる矢作川は、鮎やうなぎといった川魚の宝庫。初夏から秋にかけては川に「やな(簗)」を仕掛け、下ってくる魚を竹の簀の上で受けて獲る、昔ながらの漁が残る。この地域はうなぎの焼き方も関東式(蒸してから焼く)と関西式(蒸さずに焼く)が入り混じるといわれ、お頭付きのふっくらした身に、しっかり効いた甘辛ダレがからむ。塩の町・足助が近いせいか、味つけは塩気強めだとか。

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DAY 3 · 10.23

香嵐渓から設楽・田峯を巡り飯田線・豊橋経由で帰宅

三日目は足助をもう一度のぞいてから山へ。香嵐渓はちょうど色づきはじめ——大渋滞の紅葉シーズンにはまだ早く、しずかな川べりをぶらり。使われなくなったプールごしに足助の町を見下ろして、いよいよ山越えへ。

人家も電波もない山奥をこいでいくと、杉木立のあいだを縫う細い道。野原川の観光センターでは「しいたけ食べ放題」の幟に誘われてみたり。設楽の豊邦大橋をわたって道の駅したらで一服、絹姫サーモンと鹿肉ローストでエネルギー補給。田峯紅茶のソフトクリームが、登りで売り切れた脚をそっとねぎらう💕

もう登りたくない……と音を上げながら田峯へ。歌舞伎が残る田峯観音に手をあわせ、天空の茶畑をのぞき、谷に日が入らなくなった田峯城から山なみを見送る。飯田線の大海駅に出て豊橋へ。乗り換えの誘惑は日本一、むらたのたこやきに阿蔵のあんこもち……名物を抱えこんで、新幹線で帰路についた。ゴォォォオオオル!

移動 約154.1km / 獲得標高 827m

田峯の天空と芝居

奥三河の山ふところにある田峯(だみね)は、標高の高い斜面に茶畑がひろがる「天空の茶畑」で知られる。見上げる田峯観音(谷高山高勝寺)は、戦国の田峯城ゆかりの観音堂で、戦勝祈願の願かけから始まったと伝わる農村歌舞伎「田峯歌舞伎」がいまも奉納される。山上に復元された田峯城からは、日の落ちていく山里が一望できる。登り坂に脚を売り切らせた旅人を、ほうじ茶ならぬ田峯紅茶のソフトがそっとねぎらってくれる。