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北関東 花火と城下町めぐり
KITA-KANTO TRIP · 2022 真夏

北関東 花火と城下町めぐり

二万発の夜と、蔵のまちを歩く二日間。

2022.8.6 ▶ 8.7

Days2日間
Dist約185km
Area埼玉・栃木・茨城
Top最高 205m

八月のはじめ、天気予報とにらめっこしながら北関東へ。この日のお目当ては、関東でも指折りの足利の花火大会——二万発が渡良瀬の夜空を埋めつくすという。けれど、ただ向かうだけでは面白くない。上尾から川越、鴻巣、東松山、熊谷と、路線バスを乗り継いで埼玉を横断する「乗りバスの旅」で、まずは半日かけてじわじわと北をめざした。

妻沼聖天の極彩色の彫刻に見とれ、西小泉のブラジルタウンでシェラスコをほおばり、日が暮れれば渡良瀬の河川敷へ。腹に響く尺玉の音と白い煙のなか、首も腕も蚊に刺されながら、夏のいちばん濃い時間にどっぷり浸かった。

翌朝は打って変わって、立秋の静かな空気。日本最古の学校・足利学校から、栃木・結城の蔵のまち、七夕飾りのゆれる城下町、筑波山を映す砂沼のほとりへ。花火の熱と、城下町の時間。ふたつの顔を持つ北関東をめぐった、まんぷくで欲張りな二日間の記録。

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DAY 1 · 08.06

乗りバスで埼玉横断、そして渡良瀬の花火

旅のはじまりは上尾駅。腹ごしらえの牛丼をかきこんだら、今日は「乗りバスの旅」と決めこんで路線バスに乗りこむ。上尾から川越、鴻巣、東松山、熊谷へ——電車なら一本の距離を、あえてバスでのんびりと。車窓を流れる埼玉の町なみを眺めているうちに、ぎょうざの満洲の顔はめパネルに出くわしたり、道の駅めぬまでは「うどんにフライ」の埼玉流お弁当に「色々おかしい」と笑ったり。二度目の妻沼聖天(歓喜院)では、極彩色の彫刻がびっしりと施された聖天堂に、またしても見とれる。

バス旅の終点は、西小泉のブラジルタウン。駅前の案内も商店もちゃんとポルトガル語で、おやつにはシェラスコの香り。日本のなかの小さなブラジルを歩いてから、いよいよ足利へ向かう。

そして、夜。渡良瀬運動公園の河川敷に陣取って、花火大会の号砲を待つ。「金たーまやー」の掛け声とともに、尺玉が腹の底まで響く。関東最大級・二万発の光が次から次へと夜空に咲いて、気づけば首も腕も蚊の餌食。それでも、燃えカスの匂いと白い煙にまみれた夏の夜は、文句なしに最高だった。

移動 約79.1km / 獲得標高 312m

妻沼聖天・歓喜院

熊谷市にある、日本三大聖天のひとつに数えられる古刹。本堂にあたる聖天堂(歓喜院聖天堂)は、江戸時代の職人が腕をふるった極彩色の装飾彫刻で全面を埋めつくし、その豪華さから「埼玉日光」とも呼ばれる。平成の大修理で色彩がよみがえり、国宝に指定された。拝観料はちょっと張るけれど、軒下をのぞきこめば、鷲や唐子、子を抱く猿の姿まで、物語がぎっしり彫りこまれている。

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DAY 2 · 08.07

立秋の蔵のまちと、砂沼のほとり

二日目は立秋。暦の上では今日から秋……とはいえ、まだ夏の日ざしの残る朝、足利学校へ。日本最古の学校といわれる門をくぐり、国宝の本堂を構える鑁阿寺(ばんなじ)へと歩く。古い薬局や質屋、いもフライの看板が残るレトロな町なみも、見ていて飽きない。

電車を乗り継いで栃木市へ。うづま川沿いに蔵がならぶ「蔵の街」をぶらり、幸来橋から川面をのぞく。小山ではやわらかいナマズ料理に舌鼓を打ち、結城では大きな吹き流しのゆれる七夕まつりと、酒蔵の町なみ、結城城址をめぐった。日陰に入れば、風はもう少しだけ秋の気配。

下館で乗り換えて、下妻へ。ゆるキャラ「シモンちゃん」のラッピングバスに出迎えられ、砂沼のほとりに立つ。貸舟所ののんびりした空気、水面のむこうには筑波山。夕暮れの土浦にたどり着けば、ちょうど七夕まつりの最中で、モール505のアーケードにも吹き流しがゆれていた。欲張りな二日間の、にぎやかな締めくくり。

移動 約105.6km / 獲得標高 140m

蔵の街・栃木

栃木市は、江戸と日光を結ぶ例幣使街道の宿場町として、また巴波川(うづまがわ)の舟運で栄えた商都。川沿いには黒塗りの土蔵や白壁の見世蔵がいまも建ちならび、「蔵の街」と呼ばれる。味噌や醤油、肥料を江戸へと運んだ水運の記憶が、川面に映る白壁や煙突に残っている。夏の夜には川にたくさんの灯ろうが流され、幻想的な光景になるという。