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越前 ぶらりバス紀行
ECHIZEN LOCAL BUS · 2022 なつ

越前 ぶらりバス紀行

日本海と、紙と、ねこと。

2022.7.30 ▶ 7.31

Days2日間
Area福井

青春18きっぷの季節、特急も新幹線も使わず、海ぞいを走るローカルバスと自分の足で福井をめぐる二日間。早朝の今庄に降り立ち、本数の少ないバスに揺られて越前海岸を南へ下る。

北前船の里・河野、炎天下の海岸あるき、糠のまちなみ、道ばたの滝。刺身定食にボルガライス、おろしそば——まんぷくで、汗だくで、どこかのんびり。猫が“落ちている”御誕生寺に、紙の神さまをまつる越前和紙の里、恐竜だらけの福井駅。ガイドブックの表紙にはならない、けれど忘れがたい越前の夏の記録。

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DAY 1 · 07.30

今庄から越前海岸を歩き武生へ

旅のはじまりは早朝の今庄。北国街道の宿場町はまだ空気が涼しくて、ここから一日、越前海岸をローカルバスと徒歩で巡っていく。まずは南越前町の花はす公園で、見ごろの終わりかけのハスをながめ、豆の入った越前茶めしで朝ごはん。バスは本数が少なく、誰も乗っていない車内に揺られながら、海辺の町へとことこ下っていった。

河野では北前船の里をのぞき、そこから炎天下の越前海岸を北へてくてく(;´Д`) 海ぞいの集落、糠のまちなみ、道ばたの滝。お昼は食堂で刺身定食、贅沢は素敵だ。かれい崎でゴールして、バスで織田へ渡り、信長像にごあいさつ。武生のまちに宿をとって、名物のボルガライスや、ソースカツ丼・そば・里芋の定食で、よく歩いた一日をねぎらった。緑色の飲み物はご当地のさわやかローヤル。

北前船と河野

江戸から明治にかけて日本海を舞台に活躍した買積みの廻船が、北前船。大阪と北海道を結び、寄港地で安く仕入れて高く売る「動く総合商社」として、船主たちは巨万の富を築いた。越前海岸の河野(南越前町)はその寄港地のひとつで、いまも通りには重厚な船主の館や土蔵が残り、往時のにぎわいをしのばせる。海ぞいを走る南越前町のシャトルバス「北前船号」も、その歴史にちなんだ装いだ。

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DAY 2 · 07.31

御誕生寺と越前和紙の里を巡り帰宅

二日目は武生から。梅あんの朝ごパンをほおばって、バスを乗り継ぎ、まずは御誕生寺へ。日蓮宗っぽい名前だけど曹洞宗、通称「猫寺」。境内のあちこちに猫が“落ちて”いて、夏バテ気味にのびている。大きな仏さまの足もとで、金の招き猫といっしょにお昼寝していた。

今立へ歩く道すがら、レトロな銭湯、用水路の梅花藻を刈る人びと、草むらの小丸城跡。やがて越前和紙の里へ。紙の神・川上御前をまつる岡太神社・大滝神社は、神仏分離でふたつの社に分かれた不思議なお宮で、見あげる社殿の屋根の彫刻がすごい。五箇のまちは、いまも紙屋だらけ。お昼は昭和天皇も唸らせたという、さっぱりおろしそば。

福武線(福井鉄道)でことこと福井市へ。駅前は、壁も広場も恐竜だらけの“ジュラシックパーク”。へしこで日本酒を一杯ひっかけてから、特急しらさぎと新幹線で、名古屋まわりの帰り道についた。

紙の神さま・川上御前

越前和紙は約1500年の歴史をもつといわれ、全国でもめずらしく「紙の神」をまつる里。岡太(おかもと)神社・大瀧(おおたき)神社には、村人に紙漉きを教えたと伝わる女神・川上御前が祀られている。もとは神仏習合の「大瀧児権現」で、明治の神仏分離により岡太神社と大瀧神社に分かれた。江戸後期に建てられた下宮の社殿は、複雑に入り組んだ屋根と緻密な彫刻で知られ、国の重要文化財に指定されている。